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保険っていつからあるの?【損害保険 ①】

コラム

こんにちは!ファイナンシャルプランナーの武井です。

今回は保険の歴史についてお話していこうと思います。

皆さんは保険っていつからあるのか、考えたことは…ないですよね。

でもお話させて下さい!

 

過去の文献において、最古の「保険らしき文章」は

なんと紀元前2250年頃 ハムラビの時代にさかのぼります。

つまりざっと4000年以上前のことです。

そこにはこんな文章がありました。

 

「資金を借りて出発した商人が災害に遭ったり盗賊に襲われて荷を失った場合、損害は資金を貸した者が負う。」

 

つまり、お金を返す前に災害や何かしらの事故にあった場合は返済しなくてよいという契約になっていたという事です。立派な保険機能ですよね。冒険にはリスクが伴ったということです。

当時の荷物を運ぶ仕事をする人間たちは、お金持ちだったわけではありません。たどり着くまでの食費などを借りて、商売が終わった時にお金を返して残ったお金が利益になったようです。つまり、今で言うところの融資(運転資金を借りる)と保険契約が同時に行われていました。

 

 

その冒険は陸上だけではありません。紀元前500年頃には海運が始まっていたと記録されています。

海上貿易が発展してきた古代ギリシャでは、嵐や海賊などの海難事故に遭遇した場合、「荷主と船主で損害を分担し負担する」という約束、リスクを想定した「海上保険」の発想が存在していました。

また、海難に瀕した際でも返済しなくてはいけない「貸借契約」と、海難に瀕した際は返済しなくてよい「冒険貸借」が存在していた記録も残っており、「リスクの大きさで利息が変わる」ことはこの時代にすでに意識されていました。この時もまだ、融資と保険契約が並行しています。

ただし、これらは文献にそのようなやりとりがあったと記されただけで、今のような「保険会社」や「保険証券」というものではありませんでした。

 

そして、これらの保険機能が融資から独立する時代になるのは1300年頃です。

「お金を借りなくても運転資金はあるが、何かあった時に備える保険だけは欲しい」

という海運業者が増えてき行きました。

 

現存する最古の保険契約に近しい書面は1328年11月12日の公正証書で、マルセイユの県立古文書館に所蔵されています。

また1379年2月15日の日付において、当時キリスト教の「隣人愛」に背くとして利息を取るようなビジネス、すなわち保険も禁じれていたため、売買契約書という名前で難を逃れている実質的な保険契約書も残されています(パリ国立図書館)。

 

そして「真正の海上保険証券」として現存する最古のものは、モンペリエのエロー県立古文書館に所蔵されている1425年12月3日の日付のものと言われています。

同市に住むJean de Ca.eauなるジェノヴァ人商人が、カタルーニャの帆船でエ一グ・モルトからバルセロナまで運送される織物の積荷について、エ一グ・モルトに住むフイレンツェ人商人のJean Jacob Bo㏄assiに100ムートンドールの保険を付け、Bo㏄assiは5ムートンドールを受取ったことを表明したもので、担保危険は「海の,風の,人の,火災の,盗難の,座礁の,味方の,敵の,並びにその他すべての人および神の偶然事故」と記されています。

600年前の保険契約…!ロマンがありますね。「神の…」と記さているところに強いロマンを感じました。

昔から、冒険をする人の強い味方だった保険。皆さんの人生にも、保険は必要でしょうか?

 

次回は、ここからさらに近代史となる「ロイズ保険市場」について、お話していこうと思います。

それでは、また次回!